笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

「すべての正解は店の現場にあり、店長を究めてこそ本物の商人」

 

こう語るのは、ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長の柳井正さん。1984年、35歳のときに「ユニクロ」を開業、一貫して現場・現物・現物を重視してきた商人です。久しぶりにお会いしましたが、店長こそ組織の要という主張に1mmのぶれもありません。

 

写真は、かつて「店長」をテーマにインタビューを掲載した「商業界」誌(2010年8月号)。次に紹介する「店長十戒」はユニクロ店長の行動規範です。

 

一、店長はお客様の満足実現のため、的確な商品と隙のない売場づくりに命を懸けろ。
二、店長はサービス精神を発揮し、目の前のお客様のために全力を尽くせ。
三、店長は誰よりも高い基準と目標を持ち、正しい方向で質の高い仕事をしろ。
四、店長は鬼となり、仏となり、部下の成長と将来に責任を持て。
五、店長は自分の仕事に、誰にも負けない自信と異常なまでの熱意を持て。
六、店長は社員の模範になり、部下と本部に対してリーダーシップを取れ。
七、店長は販売計画を考え抜き、差別化と付加価値を売場で生み出せ。
八、店長は経営理念とFRWAYに賛同し、全員経営を実践しろ。
九、店長は本当に良い服を良い店で販売し、高い収益をあげ社会に貢献しろ。
十、店長は謙虚な心で、自分に期待し、どこでも通用する世界の第一人者になれ。

 

なかでも最も大切な一戒は何かと問うと、柳井さんは迷うことなく第一項の「お客様の満足実現」を挙げています。商業界創立者、倉本長治が提唱しつづけた「店は客のためにある」こそ商いの本質だ、と。

 

この言葉、じつは三つのフレーズから成り立っています。

 

店は客のためにあり
店員とともに栄え
店主とともに滅びる

 

「店主とともに滅びる、この言葉は会社そのものを表わしていると思うんですよ。経営者の志がなくなったり我欲に走ったりしたら、会社は滅んでいく。これは世の中のあらゆる企業に通じることじゃないですか。店長が経営者意識を持てば、この言葉が心に響くはずです」

 

人は誰でも己の人生の経営者であり、現場を与る店長にほかなりません。「一人前の人間以外、自己実現なんてできない」と、柳井さんはインタビューの最後に言いました。店長十戒とは、人生の主役である自分を尊重するためのものなのです。

 

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笹井清範

笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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