笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

愛と真実と利益

……パウロが「やむなくば信仰を捨てよ」といい、「それでも希望は捨てていけない」と説く。もし、その希望をさえ捨てねばならぬときが来たとしても、最後まで「愛は捨てるな」と言っている。これは死ぬまで、いや死んでも捨てるなという人間ぎりぎりの最終のもの、「これなくしては人間ではない」というのである。商人もまた、人間だった。……

 

これは、商業界創立者の倉本長治が遺した著作の一つ『商人の哲学』(1965年刊)の一文。原点は新約聖書に収められた書簡の一つ、使徒パウロからコリントの教会の共同体へと宛てられた手紙「コリント人への第一の手紙」です。その第13章は次のように締めくくられています。

 

「いつまでも存続するものは、信仰と希望と愛と、この三つである。このうちで最も大いなるものは、愛である」

 

倉本は商いにとって最も必要な要件として「愛」を掲げた指導者でした。「商売において何が大切か?」と問われると、迷いなく「愛である」と言い切りました。

 

商売というものは、実に愛と真実と利益との三位一体から成り立つ。(商人讃歌)

 

私は諸君に、人間生活の根本ともいうべき「愛」の商売を説きたい。愛は真実であり、迷うことや疑い試すことはあっても、偽ることはない。愛で仕入れよ、しからば真実で売ることができる。愛と真実ほど人を動かすものはない。幾百万の商略、あの手この手の商売も、愛と真実ほどに強くはない。(商人讃歌)

 

人間の営みの根本に愛情を置け。商売の根本にも愛の観念を置くとき、嘘のない、お客に親切な、信頼される商店が生まれる。(店主宝典)

 

商店とは大衆に、生活を幸福にするために必要なものを売る神聖な場のことだ。だから、常にきれいで、楽しく、嬉しさに満ちあふれていなくてはならぬ。嘘や不信が少しでもあってはいけない。そこにあるものは、愛と真実でいっぱいであるのが本当だ。(店は繁昌のためにある)

 

このように倉本は繰り返し、商売の根本が「愛」であることを説きました。商売は人間の営みであることにはっきりとした自覚しましょう。すべての人間の根本を貫くものが愛であるのなら、商売もまた愛を中心に行わなければならないというのが倉本の思想です。それはお客さまを想うことであり、お客さま愛することにほかなりません。

 

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