「あなたのお店があるから、このまちは暮らしやすい」
商人は文化の担い手であり、まちの魅力を育む力を持っています。まちで会えば挨拶を交わすだけでなく、名前も家族のこともわかっている関係が育まれ、中には相談を持ちかけてくる人までいるような信頼される存在にもなれるのです。
私と私の店は、このまちに必要な存在になっている――そう感じられたとき、あなたの「個」は、地域との連帯を結ぶことができるのです。そのとき店頭は、お客様と商人の善意を交わす場となるでしょう。
これまでの売上至上、販売一辺倒の売場は過去のものとなり、それに代わって、あなたがお客様との接点から学んだ独自の創作力が発揮され、真にお客様にふさわしい商品の提供もできるようになります。
お客様と商人が物の売り買いを通して、個の人間どうしとして心を通わせる店が存在すること、これが平和なまちの姿なのです。こうした交流を暮らしの喜びとし、「この店こそ私の店」とお客様から信頼される店こそ、あなたが実現すべき店ではないでしょうか。
それゆえ同業者や規模の大小を気にするのではなく、あなたに心を寄せてくれているお客様を見つめてください。「店は客のためにある」という言葉の真意はここにあります。
「あなたのお店があるから、私の人生はたのしい」
こう言ってくれるお客様を一人ずつ増やしていくところに商人の喜びはあります。