「私たちが目指すのはすべての顧客のニーズに答えること。そして、顧客満足度を上げるためには、三つのストラテジーがあると考えています。この三つが揃うことが重要です」
こう語るのは、顧客第一主義を世界で一番実現する企業になることを企業理念に掲げるAmazon.comの日本法人、アマゾン・ジャパンのジャスパー・チャン社長。三つのストラテジー(戦略)とは次のとおりです。
一つ目は、探しているものが何でも見つかる「品揃え」。
二つ目は、比較対象を圧倒する「低価格」。
三つ目は、あらゆる競合に優る「利便性」。
じつは、これら3要件は、これまで多くのリアル店舗小売企業がチェーンストア展開を図りつつ、その実現を目指してきたものです。同社は多額の先行投資を続け、短期間のうちに先行していたリアル店舗チェーンストアの優位性を凌駕したのです。
この発言で私が注目したのは「欲しいものが何でも見つかる」という点にあります。「欲しいもの」をお客様自身が認識している、こうした顕在化したニーズに応えることはアマゾンに任せましょう。
ニーズにはもう一つ、お客様本人がまだ気がついていない、意識の潜在下あるニーズというものがあります。それを得られれば、人生を変えうるようなものです。
そんなニーズに応えられる商品を差し出すことーーそんな顧客感動を生み出す商いを私たちは目指してみませんか。。そのとき、規模や資本力はそれほど意味を持ちません。お客様がまだ知らない世界に導き、感動と共感を提供する――そこに私たちの役割があります。