企業信用情報調査会社、帝国データバンクの調べによると、結婚相手を紹介する「結婚相談所」の倒産が相次いで発生しています。2023年の結婚相談所の倒産件数は11件と、年間の倒産件数として初めて10件を超え、過去最多を更新しました。休廃業・解散となった件数(11件)も過去最多の水準となり、倒産と合わせて年間20を超える結婚相談所が市場からの退出を余儀なくされています。
では、人はどのように結婚相手と出会うのでしょうか。明治安田生命が2023年10月に実施した「いい夫婦の日」に関するアンケート調査では、1年以内に結婚した夫婦のうち4人に1人が「マッチングアプリ」を利用しています。そう、出会いはオンライン上にあるのです。
結婚相談所でもオンラインで面談の活用や、婚活パーティーなどのリアルイベント企画を積極的に行っています。しかし、イベント告知などで多額の広告費が必要な一方、結婚相談所が提供する基本的なサービス内容では他社との差別化がしづらく、入会金や登録料などで価格競争が発生しやすく、それが結婚相談所の倒産を加速させています。
ただ、マッチングアプリ利用者の急増に伴い、写真をめぐるトラブルやミスマッチングも増え、身元が保証された会員どうしを結ぶ結婚相談所が再度見直されつつあります。マッチングアプリから流出した、結婚意欲が高い利用者のニーズをとらえた「出会いの機会」をどう提供できるかが、結婚相談所ビジネスの今後を左右するでしょう。
そもそも、どれくらいの人が結婚しているのでしょうか。5年ごとに行われる国勢調査の統計を基に生涯未婚率を計算すると、日本の生涯未婚率は、男性が28.25%、女性が17.85%と年々増加しているのがわかりました(2020年調査)。生涯未婚率とは、46~54歳の未婚率の平均値。国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2035年には生涯未婚率は男性30%、女性20%と推計されています。
では、結婚願望はどうでしょうか。内閣府「男女共同参画白書 令和4年版」によると、未婚者で結婚意志を持つのは、20代では女性64.6%、男性54.4%。30代では男女ともに46.4%。40代以上は女性の割合が減る傾向にある一方、男性2~4割が結婚願望を持っています。
身近を振り返ってみると、わが長男は今年で30歳。こんど、結婚意志を訊ねてみようと思います。