Amazon.comが日本で事業を開始したのは2001年11月1日。「本」を販売するところから始めて20年余。直近決算となる2023年12月期の売上高は3兆6662億8200万円(1ドル=141円換算/260億200万ドル)を記録しました。
日本の小売業売上高ランキングを見ると、1位は11兆8113億円のセブン&アイ・ホールディングス(「羊華堂洋品店」として1920年創業)、2位は9兆1168億円のイオン(母体の一つ「岡田屋」は1758 年創業)、3位は2兆7665億円のファーストリテイリング(「小郡商事」として1946年創業)。それぞれ長い歳月の末に今日の発展があることがわかります。
かたやAmazon.comの会社設立は1993年7月5日(法人名「Cadabra」)。当時30歳のジェフ・ベゾス青年が起業してから40年。2023年12月期の業績は、売上高5747億8500万ドル、営業利益368億5200万ドル。ウォルマートに次ぐ存在となっています。
そのビジネスモデルは単純明快、実にシンプル。Amazonの弾み車(FLY WHEEL)と言われるもので、ジェフ・ベゾスがベンチャーキャピタリストに説明しようと紙ナプキンに描いたものです。その仕組みは今日に至るまで変わりません。シンプルだからこそ、そこにすべてを集中できるのです。
そして同社のビジョンは「地球上で最もお客様を大切にする企業になること」と、実にシンプル。しかし、奥深い。
ファーストリテイリングの柳井正さんが「最も影響を受け、最も好きな言葉」と明言する「店は客のためにあり店員とともに栄える」に通じる商いの真理と言えるでしょう。その理由は拙著『店は客のためにありて人とともに栄え店主とともに滅びる』にあたってみてください。
さて、あなたのビジョン、それはどのようなものでしょうか。