恵方巻きは過ぎましたが、日本人にとって古来欠かせない食材の一つ「海苔」。ビタミン ミネラル、タウリンなどを豊富に含む健康食材です。英語では「seaweed(海の雑草)」とさんざんな名称ですが、日本食の人気と共に、「nori」と表現されることが多くなっています。
その生産量が激減しています。特に主産地の有明海は「海苔養殖が始まって以来の危機的状況」(大手加工海苔メーカー)との声も聞かれるほどだと、日本食糧新聞は次のように報道しています。
〈2月5日現在の全国の海苔の共販枚数は前年比4割減、有明産は6割減と激減。各県漁連での入札では、数量確保のため強い札入れ状況となり、過去にない暴騰相場となっている。原草以外にも資材価格、運送費、電気料、人件費などが大幅に上昇し、「自助努力による吸収の範囲を超えており、海苔入札の大勢が見通せた段階で価格の改定をお願いせざるを得ない」(同)状況だ。〉
このニュースにふれたとき思い起こしたのが、仏教における真理を表す一つの言葉である「縁起」でした。詳しくは「因縁生起」といい、すべての事象は、原因や条件が相互に関係しあって成立しているものであって独立自存のものではなく、条件や原因がなくなれば結果も自ずからなくなるということを指しています。
これが存在すれば、あれも存在する
これが生ずれば、あれも生ずる
これが存在しなければ、あれも存在しない
これが滅すれば、あれも滅する
「これ」や「あれ」には海苔も当てはまるし、あなたの仕事も当てはまります。すべての事象は何かとつながっています。あなたの商いにはどんな縁起があるでしょうか。