笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

「我が国の未来は子どもにかかっています」

 

こう語ったのは岸田文雄内閣総理大臣。12月10日、臨時国会会期末の記者会見でのことでした。妊婦や子育て家庭への10万円相当の経済的支援の継続、出産育児一時金を現行42万円から50万円へ過去最高となる増額、今年4月に発足するこども家庭庁の下での政府総力を挙げての「こどもまんなか」社会の実現を目指すことを宣言ました。

 

総理の発言の背景には、日本の未来を担う子どもの出生数が減り続けている現実があります。

 

13年連続人口減
縮小する日本経済

 

 

大手シンクタンク「日本総合研究所」の11月10日の発表によると、2022年の日本人の出生数は前年比マイナス5.1%減の77万人前後となり、初めて80万人を下回る見通しといいます。国の予測よりも8年早く、少子化が想定を上回るペースで進んでいることになります。2016年以降、出生数は年率マイナス3.5%のペースで減少してきましたが、2022年はそれを上回る減少率となります。出生数の減少は人口減に直結します。

 

政府によると、昨年1月1日現在の日本人の総人口は1億2322万3561人で、13年連続の減少。総人口に占める65歳以上の高齢者人口の割合(高齢化率)は、1950年(4.9%)以降一貫して上昇が続いており、1985年に10%、2005年に20%を超え、2022年は29.1%となりました。2065年には38.4%に達して、国民の約2.6人に1人が高齢者となる社会が到来すると推計されています。

 

一方、世界の人口は増え続けています。国連によると、2022年11月15日には80億人を突破。2030年に約85億人、2050年には97億人に増え、2080年代中頃に約104億人でピークに達し、2100年までそのレベルに留まると予測されています。食料や水、エネルギーなど資源に限りがある中で、果たして地球は人口増加に耐え続けられるのでしょうか。

 

このとき日本の社会と経済がどうなっているかを、そしてどうしたいかを考えることは、直近の商業動向を考えることと無縁ではありません。なぜなら、商売とは今日だけのものではないからです。永遠のもの、未来のものと考えてこそ本当の商人です。商人には、今日よりも良い未来をつくる務めがあるのです。

 

今日よりも
良い未来をつくる

 

 

少子化に歯止めがかからないと、日本の人口は2100年には約6400万人から約4600万人にまで減少すると予測されています。日本は歴史上、これほど急激かつ不可逆的な人口減少を経験したことはありません。

 

もちろん、かつて日本にも人口が5000万人程度の時代はありました。明治期です。しかし、人口増加の上り坂にあった明治期の高齢化率は5%であり、人口急減の下り坂に立つ私たちのそれは40%に届こうとしています。すでに私たち人口オーナス期を生きているです。

 

人口オーナスとは、子どもと高齢者に比べて労働力人口が少ない状態を言い、労働者の減少により消費は低迷し、一人当たりの社会保障負担が増すことから経済成長は阻害されます。こうした傾向は今後さらに加速するでしょう。

 

では、どうするべきでしょうか。ここでは3つの視点を提案をします。

 

第1に、これまでの常識はもはや通用しない前提に立つことです。前世紀に通用したビジネスの成功法則は、もはや成功を保証するものではありません。私たちは今、人類史上例のない環境下に置かれ、これまでの正解が消失した時代の中で事業に向き合っています。

 

第2に、変化を恐れないことです。ダーウィンの進化論を持ち出すまでもなく、生き残るのは、強い者でも、賢い者でもなく、変化する者です。変化に漫然と巻き込まれるのではなく、自らを変革することが必要です。

 

第3に、昨日よりプラス1%の努力を続けることです。「1.01と0.99の法則」をご存じでしょうか。それぞれを365乗したときの差の大きさから、努力の大切さ説いています。法則の真偽は別として、マイナス1%の怠惰は無論、変化の著しい時代にあっては何もしないことは後退を意味します。

 

このとき重要なのは、努力する方向にあります。それはすなわち、今日よりも良い未来をつくろうとする意志にほかなりません。

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笹井清範

笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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