笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

登録者数115万人を数える芸人ヒロシさんのYouTubeチャンネル「ヒロシちゃんねる」の目玉はソロキャンプ。かつてキャンプといえば仲間と楽しむものでしたが、一人で楽しむソロキャンプが人気となって久しくなります。

 

「すでに現在でも、地域や職場といった従来のコミュニティが希薄になり、社会はどんどん個人化しています。とはいえ、すべてのソロ生活者が孤独化・孤立化するかというと、けっしてそうではありません。たとえば、結婚していなくてもパートナーがいたり、インターネットなどで誰かとすぐにつながれたり、趣味などを通じてできた友人がいたりすると、独身でも充実した生活が送れますからね」

 

そう語るのは『超ソロ社会』の著者であり、博報堂ソロもんLABO(ソロ生活者研究ラボ)リーダーでもある荒川和久さん。同プロジェクトでは、独身20代~50代男性、親と同居していない単身世帯、自立・自給しながら自由なライフスタイルを楽しむ人々を「ソロ男」と定義し、様々な調査やマーケティング活動を行っています。

 

 

上表は日本の「生涯未婚率」の推移。これは50歳時の未婚割合のことを指し、「45~49歳」と「50~54歳」未婚率の平均値から算出されます。2022年6月に内閣府から発表された「少子化社会対策白書」によれば生涯未婚率は年々増加しており、1970年には男性1.7%、女性3.3%だったのに対して、2020年には男性28.3%、女性17.8%まで増加しています。

 

 

上表は日本の「単身世帯率」の推移。2020年の国勢調査によれば、日本の総世帯に占める単身世帯の割合は38%となり、5年前に比べて3.4%増えています。1980年の19.8%から比べれば、ほぼ倍増したことになります。かつて標準世帯と呼ばれた「夫婦と子」世帯は25%であり、もはや標準とはいえない状態に下がっています。

 

「日本の20年後(2035年)とは、独身者が人口の50%を占め、一人暮らしが4割となる社会だ。同じ屋根の下に、親子が『群』となって暮らす家族の姿は、もはや風前の灯火となりつつある」(本書5頁)

 

たしかに、消費の世界においてもソロ化は顕著です。大衆という「群」が、モノを所有することに価値を見いだした時代は過去の話。1950年代後半に白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫の家電3品目が「三種の神器」として喧伝され、1960年代半ばにカラーテレビ (Color television)・クーラー (Cooler)・自動車 (Car) の3種類の耐久消費財が「新・三種の神器」として喧伝され、大量生産、大量流通、大量消費が美徳とされた時代は思い出の中のできごととなりました。

 

これからの「超ソロ社会」において、消費を牽引するのはソロ生活者という「個」になります。それはすでに始まっている現象であり、それにどのように対応していくかが求められています。

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笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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