笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

あなたが販売する商品を同じものは、あなたの店以外のどこで売られているでしょうか? 仕入れ商品なら当然ながら他店・他業態にも卸されているし、製造販売の場合でも“似たような商品”はほかにもあります。

 

そうなると、お客様は何を基準に買う店を選ぶでしょうか? 安さという「価格」、買いやすいという「利便性」、すぐに手に入るという「迅速性」であることは、生活者の立場に立てば自明です。

 

しかし、と私は言いたい。これからの時代、「どこで買うか?」よりも「誰から買うか?」がとても大切になって来るでしょう。問題は、あなたがその「誰」になれるかどうかです。愛知県岡崎市の文具店の物語です。

 

 

「お客さんはみなさん通販に注文したり、郊外のショッピングモールへ出かけたり、コンビニや100円ショップで済まされたり……。客数は減るし、売上は上がらないし、続けるかやめるかの瀬戸際でした。でも、もう一度、自分の好きなものを徹底的にやってみて、それでだめなら諦めるしかないと、全エネルギーを注ぎ込んだのがこれでした」

 

こうかたるのは、文具店「ペンズアレイタケウチ」の店長、竹内さちよさんが16年前に取り組みはじめたのは、万年筆や高級ボールペンなど筆記具を使って書くことの楽しさを伝えることでした。さまざまな業態が文具を販売する競合下、品揃えの豊富さや価格の安さ、利便性を争うことの不毛さを知り尽くした上の決意です。

 

 

目標は5000円以上の筆記具を年に365本以上販売すること。多くの専門書にあたり、東京の有名文具店へ視察に通い、メーカーには万年筆の種類や構造を教えてもらい、2004年からショーケースに高級万年筆の展示を始めました。

 

廃業まで考えた竹内さんですが、いまでは高級筆記具を年に約1000本を販売。うわさを聞きつけ、東京をはじめ県外からやって来る人気店になっています。5000円以上の高級筆記具の購入者を記録する「ペン日記」は当初から書き続け、その数は6100人に上ります。

 

 

その答えは新著『売れる人がやっているたった四つの繁盛の法則』に譲りますが、ヒントは4文字。今や全国で415地域、約2000商店街、約2万7000の事業者が取り組む「まちゼミ」。初めて存在を知る人はもちろん、その名を聞いたことがある人、すでに実践している人も、その本質をご理解いただけるでしょう。

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笹井清範

笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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