笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

商いを形づくる要素は、それほど多くはありません。片手では足りませんが、次の6つに集約されます。

 

WHOM=誰に(対象顧客)

WHAT=何を(商品・サービス)

WHY=なぜ(経営理念)

WHEN=いつ(商機)

WHERE=どこで(立地)

HOW=どのように(業態・販売方法)

 

これら「5W1H」の中で最も大切なものは何でしょうか?

 

 

それはWHOM。

 

誰に(対象顧客)をはっきりさせてこそ、あなたのPHILOSOPHY(哲学・理念)も、STORY-RICH PRODUCT(物語性豊かな商品)も、PERSONALITY(個性・人柄)も、PROMISE(約束・絆)もはっきりするからです。

 

人口減少期を迎えた今日、もはやお客様は無限に存在するわけではありません。需要が供給を上回っていた時代ならば、「誰に」が漠然としていても、旺盛な需要が商人の無為無策を補ってくれました。

 

しかし、いまやモノはあふれ、消費者の嗜好は多岐にわたります。「あの人に」と言い切れるくらいに対象顧客が明確であってこそ、ほかの5つの要素も明確になります。満足させたいお客様を一人にまで絞り込むとお客様は増え、売上は利益と共に上がっていくのです。絞れば絞るほど、「それって私のことだ!」と思ってくれるお客様は広がります。

 

 

この真理を確信させてくれた店があります。寝具から家具、カーテン、絨毯、ランプ、インテリア小物、ハーブティー、本、CD、アロマに観葉植物──。店内に揃えられている商品で見れば、「何屋」と呼べばいいのかよくわからない店「いとしや」。じつはこれらはすべて一つのコトの充足を目的としています。

 

「アフター9のリラックス」というストアコンセプトを掲げ、従来の布団店の常識を超越した品揃えによって、商圏を超えて全国にファンを持つ「いとしや」は、快適な眠りとすがすがしい朝を迎えるためのコトを販売しています。その詳細は新著『売れる人がやっているたった四つの繁盛の法則』に譲りますが、ここでは店主・大杉天伸さんの品揃えの哲学を紹介します。

 

「商品を仕入れる際にも、常にイメージするお客様を思い描きながらセレクトします。たとえば、タオルは白とオフホワイト以外の色は思い切ってカットするなど、複数の選択肢からお客様に自由に選んでもらうのではなく、想定したお客様に合う商品だけを揃えています。「『あなたにはこれ』と言い切れる商品ほど、多くのお客様からご支持いただけます」

 

 

私たちは「お客様のために」と理屈をつけながら売上欲しさについつい、あれもこれも品揃えしてしまいがち。機能が異なる商品ならそれは必要ですが、同じ機能でありながらあれもこれもは禁物です。誰に、をはっきりさせれば、あなたの商いにかかってきた霧は晴れます。

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笹井清範

笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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