笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

店は客のためにあり
店員とともに栄え
店主とともに滅びる

 

新著『店は客のためにあり店員とともに栄え店主とともに滅びる』は、倉本長治が提唱したこの3行をタイトルとしています。それを「我が唯一の座右の銘」という柳井正ファーストリテイリング会長兼社長は読書家として知られます。私が知るかぎりでも、優れた経営者は皆よく本を読みます。多用を極める日常のいつ読んだのかと不思議に思えるほど、良い経営者は優れた読書家です。

 

柳井さんが倉本の言葉に出会ったのも、若い頃にむさぼり読んだ「商業界」にありました。そんな柳井さんがやはり若い頃から繰り返し読み続ける著者の一人にドラッカーがいます。柳井さんはドラッカーについて、こう語っています。

 

「ドラッカーは経営に関する数多くの名言を残しましたが、中でも企業経営の本質を突いた言葉だとぼくが感じたのは『企業の目的として有効な定義は一つしかない。すなわち、顧客の創造である』(『現代の経営』)という一文です。『顧客の創造』というと難しく聞こえますが、企業は自分たちが何を売りたいかよりも、お客様が何を求めているのかを一番に優先して考え、付加価値のある商品を提供すべきである、ということを、この言葉は意味しています」(『柳井正わがドラッカー流経営論』NHK出版)。

 

ドラッカーの教えを煎じ詰めると、次の5つの問いに集約されます。これらの問いを、常に考え続けるところに事業成長の糸口があります。

 

1. 私たちの使命は何か
2. 私たちの顧客は誰か
3. 顧客にとっての価値は何か
4. 私たちの成果は何か
5. 私たちの計画は何か

 

いかがでしょうか。至ってごくシンプルな問いですが、答えるのが難しい本質的な問いでもあります。柳井さんですら、今もこれらの問いに対して答えを探し続けています。

 

今日の講演では、思想家としての倉本長治主幹、実践者としての柳井正さん、そして学者としてのドラッカーの共通点について話しました。これらの問いは、じつは経営者だけのものでなく、今を生きる一人ひとりが考え、自分なりの答えを探し続けるべきものなのです。

 

あなたの答えも、ぜひ聞かせてください。

 

 

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笹井清範

笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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