笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

WAR IS OVER !
IF YOU WANT IT.

 

戦略(ストラテジー)、戦術(タクティクス)、標的(ターゲット)、軍事行動(キャンペーン)、兵站(ロジスティクス)……こうした戦争用語を、日々の商売で当たり前に使ってはいませんでしょうか。消費者を囲い込み、攻略し、「市場」という領土の拡大を勝利とする発想から卒業しましょう。

 

たしかに、人口増加、経済成長期の社会にあっては通用した発想かもしれません。そのときかぎりの売上欲しさにお客様の気持ちを害しても、次なる標的はたくさん存在したからです。 “殺戮”を繰り返しても、新規顧客の捕獲は容易だったのです。

 

しかし、二つの理由でもはや成り立ちません。

 

一つには人口減少と経済の成熟化です。モノを消して費やす「消費者」として一緒くたに扱うマス・マーケティングでは、一人ひとりがそれぞれに生きてモノを活かす「生活者」の心を満足させることはできません。目に見える市場を略奪するのではなく、目に見えづらい一人ひとりの需要を創出しましょう。一人ひとりの笑顔の総和こそ社会の幸福です。

 

また、小売業がいつからか「流通業」と言われるようになり、そちらのほうが高尚だと勘違いされるようになったとき、日本の商業は道を誤ったように思います。大量に流して通すことを是とする「流通」よりも、一人ひとりに手渡すように小さく売る「小売」こそ商売の本筋であることを忘れてはなりません。

 

もう一つの理由は、全市民の総メディア化です。これまでお客様は買物で気持ちを傷つけられても、多くが黙ってその店や企業との付き合いをやめるだけでした。面と向かってクレームをおっしゃってくださるのは、本当に有り難い「ありがたい」ことです。なぜなら、そこには改善や問題解決のヒントがあるからです。

 

しかし今日、お客様は沈黙せず、SNSなどを通じて不満や不快を躊躇なく放出します。そうした悪評は、ただでさえ少なくなっている未来顧客との出会いを妨げます。情報技術の発展が情報の受発信を容易にした結果です。

 

店や企業の役割をもう一度考え直しましょう。商いは人の心に喜びを生み、社会に幸福を増やし、暮らしを物心両面で豊かにする営みです。「お客様の幸福な生活を守る」のが商人の務めだと、日々の仕事に誇りを持ちましょう。

 

そのとき、店や企業の発展と社会の幸福は一致を見るのです。奪い合うのではなく需要を創出するのが商人の務めではないでしょうか。

 

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笹井清範

笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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