「2003年ごろにその存在を知り、これはすごいと思って会社に導入を提案しましたが、本社からはOKが出なかったんですね。それでお客さまへ手紙をこっそり出していたら、とても好評でしたし、売上も1億3000万円から2億円に伸びました」
1st チェーン店から個店経営へ
初めて彼に会ったのは2009年5月1日。埼玉・北浦和にある小さな婦人・子供服店で働いていた彼を取材したとき、彼が冒頭のように言ったのを今も覚えています。
「会社」とは、あるカジュアルファッション店を運営するナショナルチェーン企業。当初、彼は仕事がいやで、苦痛で仕方ありませんでした。しかし、後に彼のメンターとなるワクワク系マーケティング研究・開発者の小阪裕司さんが書いた一冊の本と出会い、そこに書かれていることに取り組むと、仕事が楽しくなっていきました。
ついには最優秀秀店長となり、スタッフとお客さんと共に楽しんで商いができるようになっていきました。あれほど嫌だった仕事が天職と思えるほど楽しいものになったのです。
その後、同じチェーンで意気投合した店長仲間と婦人・子供服店を開業。お客さんとの絆づくりに励む繁盛店を育てていた彼らを取材したのでした。ポイントカード特典はきわめて個性的で、「肥前さんの父・泰之さんによる『千の風になって』の独唱」など、お客さんとの絆づくりはさらに磨きがかかっていったのでした。
2nd ネット通販で「人にフォーカス」
次に彼を取材したのは2013年12月14日。成長著しいインターネット通販企業に転職してしばらく後のこと。商品力だけが重視される通販企業に「人にフォーカス」する観点を植えつけ、業績向上に貢献していたときのことでした。
「モノ視点のままでは、『今日はこれだけ買っていただけた。ああ、良かった』で終わってしまいますが、実は明日以降のことはわかりません。しかし、新規客に2回目、3回目も利用していただく“仕組み”を持っていれば、明日、明後日もどれほどの人に買っていただけるかが見えてきます」
3rd 実践者から伝道者へ
3回目の取材は、2015年9月15日。彼が商いを学んできた小阪裕司さんのもとで唯一の弟子として、ワクワク系マーケティングのチーフエバンジェリストになったときのこと。優れた実践に贈られる「社長のアカデミー賞」グランプリを受賞した実践者である彼が“伝道者”として、自身の実体験をもとに活動を始めたばかりの頃でした。
「人にフォーカスしていると、『私たちのお客さまにいまウケるもの』が肌感覚でわかるようになります。そしてそれ以上に仕事が楽しくなっていくのです」
4th つらい仕事が天職に変わる!
こうしたご縁を経て、肥前利朗さんの初めての著作『つらい仕事が天職に変わる!』の編集に携わり、出版したのが2020年3月4日。そこには彼が歩んできた人生と、そこで試行錯誤してきた道があります。
「もし今あなたが、『仕事がつまらない』『転職しようかなぁ』と考えているとしたら、動くのはこの本を読んでからでも遅くはないかもしれません。なぜなら、この本を読み終えたとき、あなたの見える景色が変わっているかもしれないからです」(「はじめに」より)
タイトルは『つらい仕事が天職に変わる!』、副題は「私と1万人の人生を変えたワクワク系マーケティング」。出版社「商業界」はなくなりましたが、本書は今も電子書籍として読むことができます。ぜひ読んでみてください。
【メルマガ「商いの心」のご案内】
ひとに笑顔を
事業に未来を
地域に活力を
週に一度、メールマガジンをお届けしています。
そこには、いろいろなことが書きつけてあります。その中のどれか一つ二つは、すぐ今日あなたの商いに役立つでしょう。もう一つ二つはすぐに役立たないように見えても、やがて心の底深く沈んでいつかあなたの商いを変えるでしょう。
このブログを良かったと感じていただけるなら、メルマガもぜひご覧ください。こちらより登録いただけます。