鮮やかな色の大胆なプリント柄で、日本でも人気の北欧を代表するファッション・ブランド、マリメッコ(Marimekko)。フィンランド語で「小さなMariのためのドレス」を意味しますが、Mariを組み替えるとArmi (アルミ)となります、創業者アルミ・ラティアは、マリメッコの中に生き続けているのです。創業者のアルミ・ラティアの生涯を描いた2015年のフィンランド映画「ファブリックの女王」(原題「Armi elää! 」)をもう一度観ました。
マリメッコの創業は戦後間もない1951年。斬新なデザインのファブリックで、女性をコルセットとレースから解放したこと、モノを売るだけではなく、新しい時代のライフスタイルを提案したところにマリメッコの真骨頂があります。
「何をも恐れなかった」。彼女の14歳の日記にはこう書かれていたそうです。それがアルミの人生でした。
従うべきは美のみ
実在するのは夢だけ
力の源泉は—―愛
映画は、ラティアの生涯を主題とする舞台劇の制作ドキュメンタリーというスタイル。ラティアを演じる女優マリアの視点を通じて、アルミの人生を浮き彫りにしていきます。シーンの折々に、マリアと舞台演出家がぶつかりあいながら、夫や家族との不仲、アルコール依存と浪費癖、一方で従業員思いで仕事に対する真摯さと毀誉褒貶ある彼女の本質に迫ろうとする過程が見どころです。
「男は金の計算ばかりして人間を忘れている」
「心配いらない、仕事は現場で学ぶものよ」
こんな台詞が心に留まりました。