お会いしたことはありませんが、言葉の力とは偉大なもので、私はこの先達の熱い体温をいつも感じることができます。「生きる」と題された彼の一編の詩を読むとき、それは叶います。
記されたのは1958年、日本の商業が坂の上の雲をつかもうと、明日をより良くしようと向かっていた時代です。そこには善なる者も、不善なる者も入り乱れた混沌にありました。こうした潮流に対して、岡田はこんなメッセージを出しています。
日本の商人に
今、一番必要なものは
組織でも
技術でもない
自分が消費者のための商人である
ということを知ることである
そして自分が
消費者のために役に立つ商人である
ということを知ることである
自分の商業に対する信念と
商人と して
死ぬ勇気を持つことである
私は自分の職業を今日が日まで
誇りに思い得なかった多くの商業者たちに
期待する
君たちが商人として
死ぬ勇気を持つことができるならば
死ぬ勇気とはすなわち、今をより良く生きること、悔いなき時を過ごすこと。よく死ぬとは、よく生きるということとことと同義なのです。商業界草創期の指導者、岡田徹がそんなことを教えてくれます。