笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

カプセルホテルに泊まったこと、ありますか?

 

ある知人の依頼で、日本のカプセルホテルの動向について調べる機会がありました。日本発祥の宿泊形態で、大阪が発祥。1979年、著名建築家の黒川紀章がデザインしたものが始まりと言われています。部屋全体が一室となるため、それぞれのカプセルベッドは家具という扱いになり、施錠することは旅館業法で禁止されています。

 

一般のホテルに比べ安価なため、終電を逃した酔客、個人旅行の若い学生・社会人、ビジネスホテルが満室で仕方なくという利用層が多く、利用者は男性中心。私自身も20代の頃に何度か利用した経験があり、息苦しい圧迫感、他の利用客のいびきや生活音を我慢しながら泊まるものでした。

 

しかし、それはかつての話。

 

中小企業基盤整備機構が、国内在住の20代から60代男女(有効回答数1000人)にアンケートしたところ、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた利用率は全体で6%、男性10%、女性2%(2017年1月/インターネットによるアンケート)。これを少ないと見るか、潜在需要の宝庫と見るか。

 

 

中小機構の調査では、積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、20代男女で10%を超えている。また、他の年代においても男女ともに万遍なく5%から9%程度の潜在需要が存在しているという。さらにカプセルホテルの利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、20代~30代の男女を中心に多く存在。60代女性以外はどの年代・性別でも20%を超える潜在需要が存在しているという。

 

つまり、未開拓の荒野なのです。

 

とりわけ女性。それゆえ中小機構は「女性向けの洗面設備やシャワー室等の充実、そして女性専用のフロアを設けるなど、女性利用者を意識した店舗づくりで女性の需要を開拓することが、今後の販売促進においては有効であると考えられる」とリポートを締めくくっています。

 

そうした未開拓の荒野に鍬を入れる挑戦者は少なくありません。彼らの取り組みには、次のような特徴がありました。

  • 旧来のカプセルホテルにはないデザインやサービス
  • 女性需要の高まりを鑑み、徹底した女性目線の追求
  • “一人で宿泊する場所”から“仲間と楽しむ場所”へ
  • 共有スペース、各種設備の高級化と充実
  • 一人利用から団体利用まで種類豊富な料金体系

 

 

今日お伝えしたいこと。

 

何からも学びがあります。自分の商売やビジネスに関係ないからと勝手に決めつけ、学ぶ機会を制限してはいないでしょうか。朝起きてから眠るまで、代わり映えしないと思いがちな日常のすべてにヒントがあります。

 

たとえば、今日ご紹介したカプセルホテル。久しぶりに泊まってみたくなりました。こうした進化系カプセルホテルは首都圏、関西圏に多いとのこと。次の大阪出張あたりでチャレンジしてみようと思います。

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笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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