「◯◯なら△△さんの品がいちばん」
多くの人たちからこう評され、愛される店があります。
たとえば、おはぎなら宮城・仙台のさいちさん。
無地Tシャツなら京都のイージーさん。
かき氷なら東京・谷中のひみつ堂さん。
七味唐辛子なら大阪・堺のやまつ辻田さん。
料理道具なら東京・かっぱ橋の飯田屋さん。
彼らは愚直とも言えるほど一本気に、一つの商品にこだわり、自身の足下を小さく狭く濃く深く掘り下げることに徹しています。
こうした単品の深掘り商売では、用いられる主要素材の確かさが盛衰の鍵を握ります。さいちならあんこ、イージーなら生地、ひみつ堂なら氷、やまつ辻田なら鷹の爪、飯田屋なら選び抜いた品揃えそのものです。
彼らは主要素材の質にこだわり、ときには原価を考えようともしません。確かなベースがあるからこそ、多くのお客様に愛され、異常とも言っていい販売量を誇るのです。
さいちの店主、佐藤啓二さん「とにかく良いものをつくる。拡売・利益は後から必ずついてきます」と言います。過疎のまちでおはぎが繁忙期には一日250万円も売れる理由はそこにあります。
お客様の記憶に残り続ける最高を持ちましょう。いくつもいりません。まずは一つからでいいのです。