きちんとやり遂げる
祝いの膳が並びます。ところが、そこにあるはずの立派な鯛がありません。代わりに膳に載せられたのは、紙に描かれた一匹の鯛でした。親戚たちはあっけにとられます。武士にとって冠婚葬祭や祝いの席は、家の格式を示す大切な場です。恥を […]
祝いの膳が並びます。ところが、そこにあるはずの立派な鯛がありません。代わりに膳に載せられたのは、紙に描かれた一匹の鯛でした。親戚たちはあっけにとられます。武士にとって冠婚葬祭や祝いの席は、家の格式を示す大切な場です。恥を […]
雨が激しく降りしきる夜、ひとりの男が両腕を大きく広げ、空を仰いでいます。泥にまみれた服を脱ぎ捨て、顔には雨が打ちつける。それでも、その表情には苦しさより解放の喜びがあります。長い年月を閉ざされた刑務所で過ごした男が、よう
森の中を四人の少年が歩いています。線路の上を進み、川を渡り、夜になれば焚き火を囲む。大人の目から見れば危険で無鉄砲な冒険です。しかし彼らにとっては、それが世界のすべてでした。映画「スタンド・バイ・ミー」は、12歳の少年た
厨房の中で一流の料理人が美しい皿を仕上げています。ロサンゼルスの有名レストランで料理長を務めるカール・キャスパー。腕には自信があり、新しい料理をつくりたいという情熱もあります。 ところが店のオーナーが求める
白い羽根が風に乗って空を舞っています。上へ行ったかと思えば下へ落ち、建物の間を抜け、車のそばをかすめながら、やがて一人の男の足元にたどり着きます。その男の名はフォレスト・ガンプ。 ベンチに座った彼は、隣り合
孤児院の壁には、外の世界とは切り離された静かな時間が流れています。子どもたちは決められた時間に起き、食事をし、眠ります。夜になれば院長のウィルバー・ラーチ医師が物語を読み聞かせます。 最後に決まって口にする
小さな赤ん坊が、生まれたばかりとは思えない老人の姿をしています。しわだらけの顔、弱った体、ほとんど動かない手足。医師から長くは生きられないだろうと言われ、父親に捨てられたその子は、老人ホームで育てられることになります。
土埃の舞うグラウンドを、選手たちが必死に走っています。倒れそうになっても走る。声を掛け合い、歯を食いしばり、また走る。そこにいるのは、育った環境も、言葉も、民族も異なる若者たちです。 最初から心が一つだった
画面の向こうで、山田五郎さんがゆっくりと息を整えています。頬は痩せ、鼻には医療用のチューブが通っています。それでも、眼鏡の奥の目にはいつもの好奇心の灯が消えずに残っていました。 死を語ろうとしている人が、こ
最後の仕事にも、山田五郎さんらしさがありました。酸素チューブをつけ、立って歩くことも、食べることも難しい。それでもカメラの前に姿を見せ、闘病中に書き上げた新著『光の西洋絵画史』を紹介してくれました。 病状を