笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

 

今日は少々個人的な話を。

 

「父親によれば、この世界では、われわれは元気に生きねばならないものであるということをジェニー・ガープは知っていた。かの有名な彼女の祖母、ジェニー・フィールズは、かつて人間を、外傷組、内臓組、自失組、冥土組と分けたことがある。だが、ガープによればこの世界では、われわれはすべて“死に至る患者”なのであるから」

 

記憶に残る映画と小説の中から、あえて一つの作品を選ぶなら、私はこれを選びます。冒頭の文章は、そのエンディングにあります。現代アメリカ小説家、ジョン・アーヴィングの小説であり、ジョージ・ロイ・ヒル監督、ロビン・ウィリアムズ主演によって映画化された「ガープの世界」です。

 

冒頭の文章の「父親」とは本作の主人公、T.S.ガープ。作品の詳細については、ぜひ映画、そして小説にあたっていただきたいと願います。

 

「これ、おもしろいよ」と、当時つきあっていた女性から奨められて小説を読み、そののちに映画を観たのは、もう30年以上前の話です。以来、繰り返して読み、観賞する作品です。

 

その後、その女性との間に二人の男の子を授かりました。長男は現在、医官として研修と救急救命に明けくれています。なんだか不思議です。

 

ジェニー・フィールズの言葉を借りるならば、彼は「外傷組、内臓組、自失組、冥土組」をめぐっています。長男にはまだ本作を紹介したことはありませんが、読書好きな彼のことだから、もしかしたらすでに読んでいるかもしれません。今度、それを肴に話してみたいものです。

 

ここで私はなにを伝えたいのか?

 

それは「人は必ず死ぬ」ということです。その事実を理解してはじめて、数々の失敗や挫折、過ちを重ねながらも、人は前を向いて生きることができるのではないでしょうか。年の暮れに向き合い、私もたくさんの過ちを重ねてきたことを思います。

 

本作に接したことがなければ、ぜひ映画や小説でふれてみてください。今日は個人的な話でした。

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笹井清範

笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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