笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

面白い数式に出合いました。

 

-=+……引き算することによって、新たな価値が生まれる。

->+……引き算は、足し算に勝る。

2<1……二兎を追うものは一兎をも得ず。

1>2……ひとつのことを極めれば、逆に世界は広がる。

 

 

静岡県立大学経営情報学部の岩崎邦彦教授の著作『引き算する勇気 会社を強くする逆転発想』の一文です。いずれの数式も数学的にはありえませんが、数式に続く文章に著者のメッセージが込められています。

 

これからのビジネスにおいては、引き算をすることによって本質的な価値が引き出され、人を引きつける――これが本書の主旨です。

 

「品揃えを減らすと売上げが減るのではないか?」

「ターゲットを減らすと、売上げが減るのではないか?」

 

このように思い込みに対して著者は「何を売らないか」を説き、「誰に売らないか?」を、事例を交えつつ説いています。小さな店、小さな企業にとって、あれもこれもと戦線を広げては、すぐに弾も糧食も尽きてしまいます。絞ってこそ、活路はあります。

 

クラゲ展示数世界一の水族館として知られる鶴岡市立加茂水族館(山形県)もその一つです。来館者がピーク時の半分以下にまで減少した同館は当初、集客力を高めようと他の水族館で人気のラッコを導入するという「足し算」を実施したそうです。

 

しかし、経営はさらに悪化の一途をたどりました。そんなとき、同館のサンゴの水槽で生まれたクラゲの赤ちゃんを展示したところ、久しぶりに観客の歓声が館内にあふれました。

 

その経験を契機に同館は「引き算」に徹しました。展示物をクラゲに特化、さらにはレストランのメニューや土産物もクラゲに集中。いまではピーク時を超える来館者でにぎわいつづけています。その取り組みについてはこちらをご覧ください。

 

量から質へ、機能から情緒へ、効率から感性へと時代のニーズが変化するなか、いかに商いを変えていくかというヒントが本書にはあります。小さな企業・店にこそ有効な一冊です。

 

 

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笹井清範

笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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