マーケティングは顧客からスタートする。顧客の現実、欲求、価値からスタートする。「我々の製品やサービスにできることはこれである」ではなく、「顧客が価値ありとし、求めている満足はこれである」でなければならない。
これは、ドラッカー『マネジメント』の一文。商いは顧客の不満、不便、不都合、不利益など“不”の解消業であるはずなのに、いつの間にか自社の都合を優先させて、顧客を顧みなくなってしまうのはなぜでしょうか。
では、あなたは「顧客」をどのように定義しているでしょうか? そこにこそ、その経営者の経営観が表れます。あなたにとって客様は目先の利益を得る手段でしょうか?それとも、明るい未来を共につくるために価値観を同じくする友人でしょうか?
かつては「業界」の動きに敏感であることが繁盛の要件でした。売れ筋を誰よりも早く手に入れ、それを売りさばくだけならそれで十分でした。しかし、大量生産、大量消費が成り立たない現在、業界に正解はありません。顧客に軸足を置いてこそ、明るい未来を見つけることができるのです。
ライバルではなく、顧客に集中しましょう。商いにとって最も大切な存在は「顧客」そのものです。そこにこそ独自性の厳選があり、明るい未来があります。同じ業界の競合相手を気にするより、あなたの店を訪れる顧客に集中するべきです。
そして顧客は2種類に分けられます。すでにあなたから購入したことのある「現在顧客」。
まだ叶っていないけれど、出会うべき縁のある「未来顧客」。商いとは現在顧客との縁をあたため、未来顧客との縁を結んでいく営みにほかなりません。
まずは縁あって来店いただく現在顧客に全力を注ぎましょう。未来顧客の数は、現在顧客の満足度の高低によって決まります。今日も「本日開店」の新鮮さと真摯さで店を開けましょう。
業界は過去であり
顧客は未来そのものである
ライバルを気にするより
顧客に全力を注ごう