笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

未来のために行動する

 

こう書かれているのはファーストリテイリングの「統合報告書2023」。手許に届いた冊子をめくると、CEO柳井正さんからのメッセージがあります。

 

「経営とは、持続可能であることを前提にしています――」という書き出しから始まる一文の中断には「地方の炭鉱町の商店街から始まり、売上高3兆円を目前に控えた今日まで、ひたすら真面目に、本当に良い商品をお客様に提供し続け」てきたとあり、「『服を変え、常識を変え、世界を変えていく』と締めくくられています。

 

 

そんな柳井さんが「唯一の座右の銘」と明言する言葉も、同冊子「店舗経営の革新」の項で紹介されています。店は客のためにあり店員とともに栄える――。「唯一、顧客との直接接点は商品と売場であることを徹底認識した、商品と売場中心の経営」を経営理念に掲げる柳井さんの原点と言える言葉です。

 

「私の執務室には、『店は客のためにあり 店員とともに栄える』という言葉掲げられています。ユニクロを創業する前、この言葉を提唱した倉本長治さん主筆の雑誌『商業界』を読み、純度の高い結晶のような言葉を見つけました。人生で最も影響を受けた、最も好きな言葉です。商いの原理原則のすべてが込められています」

 

 

こう理由を語る柳井さんが、あえて書かなかった、これに続く言葉があります。

 

(店は)店主とともに滅びる――。

 

倉本長治は、これら三連の言葉の中に、商いに大切なことをすべて込めました。店とは、お客様のためにあり、店員とともに栄えるべきものであるとともに、店主が人としての「真善美」を失ったとき、店はあっけなく滅びると戒めています。

 

「真善美」とは、人間とって理想とすべき至高の価値。それは「正しさ」「おもいやり」「真摯さ」というべきもの。柳井さんは「自分が自分に対して最大の批判者となり、自分の行動と姿勢を改革する自己革新力」とも表現しています。

 

拙著『店は客のためにあり店員とともに栄え店主とともに滅びる』は、倉本長治の教えの本質を簡潔明快に凝縮した、柳井さんが解説を寄せる一冊。あなたが未来のために行動するとき、その指針となってくれるでしょう。

 

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笹井清範

笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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