笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

哲学を見つける三つの質問

philosophy(哲学・理念)をはっきりと持ち、それを伝えつづけることでお客様はもちろん、従業員、取引先からも支持されることは多くの店・企業が証明しています。こうした繁盛は、少しの工夫と継続であなたも必ず実現できると約束します。

 

「でも、私には哲学や理念なんてないし、考えたこともない」

 

しばしば、こうした“できない理由”を耳にします。しかし、答えは必ず自分自身の中にあります。繁盛のために欠かせない「哲学・理念」という青い鳥は、業界常識の中にでもなければ、競合他店の売場にでもなく、あなたの思いの中に棲んでいるのです。

 

正しい答えを得るためは、正しい問いが必要です。正しい問いに答えることが最も早く確実に正しい答えにたどり着く近道なのです。

 

ここでは、そのための3つの質問を用意しました。心を落ち着かせて、ゆっくりと自分に問いかけてみてください。すぐに答えられなくても大丈夫です。答えが支離滅裂でもかまいません。繰り返し、繰り返し問い続けることで、必ず「これだ! これしかない!」という正解にたどり着けます。

 

質問① あなたが最もうれしい瞬間とは?

 

あなたは何のために仕事をしていますか? 「えっ、もちろん生活していくためでしょ」。もちろん、それも正解です。生きていくためには食べていくことが欠かせませんし、商売は儲けなければ続けられません。

 

では、質問を変えます。あなたは何のために生きているのですか? 何のために商売をしているのですか?

 

あなたは、本当は知っているはずです。商いをしているのは、誰かの役に立ち、誰かに喜んでもらうためだと。お客様に「ありがとう」と言ってもらえたとき、あなたは最も喜びを感じることでしょう。

 

それをもっと具体的なシーンとして思い起こしてください。一日の仕事の中で、どんな瞬間に喜びを感じるでしょうか。そこに、あなたがすでに漠然とながら持っている哲学や理念が見つかるはずです。

 

質問② お客様に何と言われて喜ばれたいか?

 

あなたは、これまでにもお客様から喜ばれ、声をかけられたり、お礼状をもらったりしたことがあることでしょう。その中で、最も強く思い出として残っているエピソードや言葉は何でしょうか。

 

「そんなこと、あったかなあ?」と不安になることはありません。必ずあるはずです。そうでなければ、あなたはこうして商売を続けているはずがないからです。

 

「ここに来ると、なんとなく心あたたまる」
「そうそう、これが欲しかったんだ。なんでそれがわかったの?」
「あなたと話していると、とても楽しいの」

 

そんな何気なく言われたお客様の一言の中に、あなたを輝かせ、あなたの商いを形づくる哲学・理念の種子があります。

 

質問③ 死後どのように憶えていてもらいたいか?

 

人間は二度死ぬと言われます。一度目は肉体が滅びるとき、そして二度目はみんなから忘れられたときです。だから私たちは死後においても人の記憶に残ろうと、今を懸命に生きるのです。

 

このとき、あなたはどんなふうに憶えていてもらいたいですか? それを仕事というフィールドの中で考えてみてください。

 

答えはすでに持っているはずです。それは、あなたが短絡的な損得に囚われないで懸命に尽くす営みの中にあります。接客かもしれないし、商品開発かもしれません。「ああ、これを売場で見つけたら、あのお客様がきっと喜んでくれる!」とワクワクしながら仕入れをしているときかもしれません。

 

それは自分が好きなこと、自分が得意なこと。そこにあなたの魅力と強みがあるはずです。

 

これら3つの質問を、ぜひ自身で考え、みんなで共有しながら、共通するキーワードを見つけてください。そして、それをわかりやすく、お客様の視点に立って、伝わる言葉にしてください。それこそあなたの、あなたの会社・店の哲学・理念にほかなりません。

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笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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