If A Tree Falls In A Forest And No One Is Around To Hear It, Does It Make A Sound？
誰もいない森で木が倒れたら、音はするでしょうか？
こう問いかけるのはファーストリテイリング創業者、柳井正さん。著書『柳井正 わがドラッカー流経営』の一節。柳井さんはこう続けます。
「その店や企業が、何をやっているか、何を売っているのかをきちんとお客様に伝えなくては、何も始まらないんです。たまたま通りかかったお客様が足を運んでくれるのを待っているだけじゃ、絶対に新しい顧客の創造にはつながりません」
柳井さんがここでいう「顧客の創造」とは、経営学の碩学、ドラッカーが企業の目的として掲げた最重要事項。お客様に存在価値を認められてこそ、企業はその存在を許されます。
商業界創立者、倉本長治はそれを「店は客のためにある」と表現しました。ドラッカー、倉本長治、この東西のリアリストの結論に共感したのも、やはり商いの究極のリアリスト、柳井正さんでした。つまり、ここに商いの真理があります。
新著『店は客のためにあり店員とともに栄え店主とともに滅びる』では、柳井さんが「唯一の座右の銘」と言いきる倉本長治の教えの真髄を伝えようとする試みです。そこには未来を創る商いの真理があります。
