他店より高く売るには勇気が必要です。競合店より良い品を扱うためには努力がいります。競合店と同じ商品を安く売っても経営が成り立つには、相当の自信が必要です。無理して安値を出すようでは、見せかけの廉売で本物の商売ではありません。
売価が安いということは、仕入れの安さの裏づけけと、つつましい無駄のない経営が伴わなければ成立しません。その点では、他店より高く売るためには、ただその勇気があれば足ります。しかし、競合店よりも品質のよい品を売るとなると、それは勇気だけでは足りません。なみなみならぬ努力が必要です。
商人の仕事に限らず、努力と伴うものほど人間にとってやり甲斐のあるものはありません。それをやりとげた時こそ愉快であり、壮快なものでしょう。商人の喜びは、そういうところにあるのです。