「おまへがたべるこのふたわんのゆきに
わたくしはいまこころからいのる
どうかこれが兜率(とそつ)の天の食に変わって
やがておまへとみんなとに
聖い資糧をもたらすことを
わたくしのすべてのさいわひをかけてねがふ」
休日の朝、漫画の単行本を読み返しました。魚乃目三太さんの『宮沢賢治の食卓』という作品で、故郷の岩手県花巻で農学校の教師をしていたころのエピソードと、彼が好んだ食を題材とした作品です。
冒頭の詩は、賢治の最大の理解者であり、2歳下の最愛の妹だったとし子が24歳の若さでこの世を去る折の心情を綴った「永別の朝」の最後の一節。好きな賢治の作品の中でも、とりわけ心打つものの一つです。
『宮沢賢治の食卓』を読み、あらためて賢治の作品を読み返す休日でした。