笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

「わけあって、安い」をキャッチフレーズに、安くて良い品を追求してきた無印良品。商品開発の基本は、生活の基本となる本当に必要なものを、本当に必要な形でつくることにあります。そのために、素材を見直し、生産工程の手間を省き、包装を簡略にしてきました。

 

では、適正な品質、適正な価格とは何でしょうか? 倉本長治の教え子の一人、良品計画の金井政明会長はその著作で明らかにしています。「その答えを得るには、生活者になること、とってもスマートな『最良の生活者の像』を考えることです」。そんな同社には、適正な品質と価格に向かうための三つの言葉があります。

 

第一に「ずっと良い値」。構成比が一番高く、使用頻度も高く日々の生活に密着している中心的な商品群。「良いものをできるだけ安く買いたい」という生活者の気持ちに応えることです。

 

第二に「こだわりたい値」。少々高くても良いものを買いたいと思う商品領域を指します。永く使うベッドやソファ、家電製品や素材に豊かさを感じる衣服、テキスタイルなどです。

 

第三は「得した値」。頻度や消耗頻度も高いもので、「お得感があり、かといってただ安いだけではなく、素材や工程、包装などに工夫があり、安いということに後ろめたさを感じずにたっぷり使いたい」と思われる商品領域です。

 

いかがでしょうか? 価格は商人の哲学の反映であり、品質は商人の誠実さを映し出す鏡です。一人の生活者として、あなたの店に並ぶ一つひとつの商品の価格と品質を見直しましょう。

 

【今日の商う言葉】
価格には合理性が必要だ
お客様に支持されるのは
値段が安いという
ことばかりではない

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笹井清範

笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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