金銭上の損得にばかりこだわるのが商人の本分ではありません。それは、売り買いのたびに勤労の喜びをお互いにあたたかく感じられる営みにあります。幸福を感じられる商品を専門知識や長年の経験で提供するために存在する者が商人です。
「ああ、いいものが買えた」と喜んでもらうためにあるのが商店なのです。そのような思想と行動はまず何によって生まれるのでしょうか。それは、商売の本質が愛と真実に一致するという信念と希望を持つことから始まります。
自分は人々のために正しいことをしている。生活者が喜ぶよう、その役に立っている。その結果はきっと自分をも幸福にしてくれる。こうした信念に従って経営することが「善」に通じることを見失ってはなりません。
信念と希望の上に立たなければ、商売に生き甲斐を感じることはありません。成功者と言われる人はたくさんいますが、何人が生き甲斐を感じてきたでしょうか。立派な成功者となるためには、顧みて恥ずかしくない商売をしましょう。
年の初め、あらためて理想を高く持ちましょう。これこそが最も手応えのある立派な事業だと信じ、高い希望を掲げましょう。それが人間生活の「善」にも通じ、自他の幸福にもつながるのです。
【今日の商う言葉】
商いに理想を持ち
高い希望と志を掲げよう
それが自他の善に通じ
幸福につながるからです