「商売とは、売って喜び、買って喜ぶようにすべきである。そこに喜びがなければ商売とは言えない」は、江戸後期の農政家、思想家、二宮尊徳の言葉として知られています。
このとき「売って喜ぶ」とは何を意味するのでしょうか。儲かったからと喜んでいるかぎり、あなたの商いは大成しません。喜ぶべきは、買ってくださった人が喜んでくれたという事実にあります。
そこには人が持つ最上の心のひとつ、おもいやりがあります。幸せになりたいのなら、おもいやりを学びましょう。おもいやりとは自分以外の存在に幸せになってもらいたいと願う心です。
二宮尊徳と言えば、この言葉も有名です。「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」。商いの道徳とは、おもいやりを根幹とする経営理念のことです。
世のため、人のためにどのように役立ちたいか? これが使命(ミッション)です。使命を遂行して、どのような未来を実現したいか? これが未来像(ビジョン)です。使命を遂行する上で、何を大切にして行動するのか? これが価値観(バリュー)です。
使命、未来像、価値観という三位一体の経営理念の中心におもいやりを置く。そのとき価値は価値とつながり、人と人の心を結びます。暮らしを心豊かにするよう役立つところに商人の喜びはあります。
【今日の商う言葉】
価値と価値をつなぎ
人と人の心を結び
暮らしをより良くする
そこに商人の喜びがある