なんとなく心のあたたまる店には、あたたかい心の人がいます。なんとなく心の安らぐ店には、安らかな心の人がいます。なんとなく心の明るくなる店には、明るい心の人がいるものです。店とは、そこで働く人そのものなのです。
「まいどありがとうとございます」とあなたは言う。でも、「毎度ありがとう」とお客様が言うような店こそお客様のための店。お客様は恥ずかしがりだから、もちろん口に出しては言いません。だからその分、外であなたの店を宣伝してくれるのです。
この店は小さく、品が少ないかもしれません。この店にはお金をかけたような美しさはありません。この店には下から見上げるような愛想もありません。この店は場所もけっしてよくありません。
それでも、とお客様は言ってくれます。この店には、私のことを思ってくれる愛がある。この店は、どの観点から見ても誠実である。それ以上、何が必要でしょうか。
では、こうした愛や誠実さはどこから生じているのでしょうか。いったいいくらで、どこに売っているのでしょうか。いえいえ、それはあなたが生涯をかけて育てるものです。だから商いは生涯にわたって飽きないやりがいに満ちているのです。
【今日の商う言葉】
なんとなく心あたたまる店
なんとなく心安らぐ店
なんとなく心明るくなる店
そういう店を私はつくろう