笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

「経営」という言葉、その意味をご存じですか。

 

辞書にはこうあります。「 事業目的を達成するために、継続的・計画的に意思決定を行って実行に移し、事業を管理・遂行すること」。なんだか、難しすぎて頭痛がします。

 

この言葉、もともとは仏教用語だということをご存じでしょうか。

 

 

「経」とは、釈迦の教えであり、人生の奥義のこと。いかに生きるべきか、与えられた生をどのように活かすかということです。お経は、この世を生きている人が幸せな道を歩めるようにとまとめられた釈迦の教え。そして「営」とは、それを実行することです。

 

では、人生の奥義とは何でしょうか。

 

釈迦は、それを「四諦八正道」と説いています。「四諦」とは、次の四つの真理のことです。

 

苦諦(くたい)

生きることは本質的に苦であるという真理。現世には、生・老・病・死の四苦と、愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五取蘊苦の四苦を加えた八苦があります。

 

集諦(じったい)

あらゆる出来事は必ず何らかの原因によって起こるという真理。現世の「苦」の原因は人間が無常を認識できないからだと説いています。

 

滅諦(めったい)

煩悩を消すことで苦が滅するという真理。ものごとへの欲望と執着をなくせば理想の境地「涅槃」につながるという教えです。

 

道諦(どうたい)

煩悩をなくし、悟りを得るための真理。「涅槃」に到達するための修行法として「八正道」を説いています。

 

 

そして「八正道」とは、次の八つの修行法です。

 

①正見(正しい見解)

②正思惟(正しい決意)

③正語(正しい言葉)

④正業(正しい行為)

⑤正命(正しい生活)

⑥正精進(正しい努力)

⑦正念(正しい思念)

⑧正定(正しい瞑想)

 

つまり、「経営」とは生きることそのもの。

 

その意味で、誰もが自分の経営者なのです。人生で起こる問題はたくさんあるようですが、「どうにかなるもの」と「どうにもならないもの」、たった二種類です。「どうにかなるもの」にはどうにかする勇気を持てばいいし、「どうにもならないもの」は受け入れる冷静さを持てばいいのです。

 

朝に礼拝。

昼に精励。

夕に感謝。

 

「明日」は明るい日と書きます。それを忘れないでください。

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笹井清範

笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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