笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

何によって憶えられたいか

人生最後の買物は
あなたから買いたいと
言ってくださるお客様を
あなたは何人言えるか

 

メキシコの古い言い伝えでは、人間は三度死ぬと言われます。一度目は心臓が止まったとき、二度目は埋葬されるとき、そして三度目は人の記憶から消えたときです。だから私たちは死後も人の記憶に残ろうと、今を懸命に生きるのです。

 

あなたの死後のことを考えてみてください。後継者のところへお客様が訪ねて来て、懐かしそうにこう話してくれます。「先代には、本当によくしてもらい、お世話になったんだ」。

 

こう言ってもらえたら、あなたは幸せです。そして、そう話してくれるお客様もきっと幸せなはずです。なぜなら、本当の商いとは互いの心がふれあうところに生じるものだからです。

 

「ふれる」と似た言葉に「さわる」がありますが、実は似て非なるもの。さわるは、相手との感情的な交流を考慮しない一方的、物理的なかかわりです。ふれるは、相手の事情をおもいやり、感情を尊重する相互的、人間的なかかわりです。

 

「接客」というとき、あなたはお客様にどちらで接しているのでしょうか。おもいやりや尊重の心をなくしたとき、私たちはお客様を無遠慮にさわっています。お客様があなたに求めているのはあくまで、ふれあいであるはず。

 

「人生最後の買物はあなたからしたい」。こんなお客様からの言葉は、ふれあいを続けられた先にあります。さて、あなたにはそんなお客様が何人いらっしゃるでしょうか。

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笹井清範

笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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