「僕は、人間の英知は古今東西変わりがないと思っていて、その集約したものが真善美だと思っているんです。真とは正しいこと。経営は特に、道理も感情も全部筋が通っていないといけない。一般に通用する正しい考え方で経営しないといけないということです。企業理念の中にも“正しさへのこだわり”を入れている。それは長期的にお客様の生活が良くなるということです」
こう語るのは、新著『店は客のためにあり店員とともに栄え店主とともに滅びる』に解説を寄せていただいたファーストリテイリングの柳井正会長兼社長。企業の存在価値は真善美の実践の中にあり、それこそが企業の永続性を保証するというものです。
現在と未来のために
あなたは何ができるか
意義のある商いこそ
あなたが生きる理由だ
人はみな誰しも、楽しく幸せに生きたいと願います。私たちの務めは、そうした願いの実現を精いっぱいお手伝いすることにあります。その願いを叶えるために、私たちは真善美に裏打ちされた商いの道を誠実に進みましょう。
時に悲しみに打ちひしがれ、時に厳しさにたじろぐこともあるでしょう。人に裏切られ、時代に翻弄されて、立ちすくむときがあることを知っています。けれど、いつも勇気を失わず、信じる道を勇敢に進みましょう。
心はずむ商いを目指せば、きっと楽しい暮らしが生まれます。あなたの商いを通じて、人と人のあたたかいふれあいを演出しましょう。見た目にはいつもと変わらなくても、人々の心のどこかに喜びの花が咲くでしょう。
たとえあなたは小さくても、人々の望みは限りなく大きいはずです。その重さに耐えかねるときがあるかもしれません。けれど、それをいっぱいに満たすまで、一歩また一歩と明日に向かって進みましょう。
生きている人々一人ひとりの心に響く商いをしましょう。その営みを通じて、あなたの生涯を悔いないものとするのです。あなたの道は厳しくも、誇りあるものなのだから。