商業界ゼミナールには、参加者で唱和する誓いの言葉があります。「商売十訓」といい、一文14字から成る10編の“商人としてのあり方”を示した言葉です。
一、 損得より先きに善悪を考えよう
二、 創意を尊びつつ良い事は真似ろ
三、 お客に有利な商いを毎日続けよ
四、 愛と真実で適正利潤を確保せよ
五、 欠損は社会の為にも不善と悟れ
六、 お互いに知恵と力を合せて働け
七、 店の発展を社会の幸福と信ぜよ
八、 公正で公平な社会的活動を行え
九、 文化のために経営を合理化せよ
十、 正しく生きる商人に誇りを持て
商業界ゼミナールとは、この「商売十訓」に基づいた商人の学びの場です。そこには、明日への確たる指針と、互いを励まし、高めあう“生涯の友”との出会いがあります。
二、 創意を尊びつつ良い事は真似ろ
「商売に創意工夫を尊重し、なお善いことは研究のうえ大いに真似る進取性を持とう」とは、1961年の第27回商業界ゼミナールで発表され、商売十訓の原文となった「商業界ゼミナール誓詞」です。
他人のやっていることを取り入れる前に、自分の店にとってそれが「良い」ことか否かを見極めましょう。「良い」とはお客様にとって「良い」ことを意味します。創意を持たずに人の真似ばかりなんて、そんな商人は恥ずかしい。真似の中から創意は生まれ、創意があるから真似もできるのです。創意と真似の二つの繰り返しが、店を成長させていきます。
学ぶことの真髄は「真似ぶ」ことにあります。繁昌しようとするなら正しい道を真直ぐ真似ましょう。