笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

日本全国500万社以上の企業情報を網羅し、日本最大級の営業データベースといわれる「SalesNow DB」を運営する株式会社QuickWork(東京都渋谷区)が「小売業界平均年収ランキングトップ10」 を発表しました(同データベースにお ける2022年5月〜2023年5月の期間)。

 

1位は、クリエイトSDホールディングス(1182万円)。事業会社はドラッグストアと調剤薬局を運営する株式会社クリエイトエス・ディーなど4社で構成され、神奈川県を中心に関東地方を中心に、地域に密着した事業展開を行っています。

 

2位は、株式会社ユニクロや株式会社ジーユーなどの衣料品会社を傘下に持つファーストリテイリング(959万円)。世界のカジュアル衣料品の企業の中での売上はZARAを擁するインディテックス(スペイン)、H&M(スウェーデン)に次ぐ第3位であり、時価総額は世界1位を誇っています。

 

3位には、回転寿司チェーンのスシローなどを展開するFOOD&LIFE COMPANIES(865万円)がランクイン。グループ売上1兆円に向け、海外でも韓国、台湾、シンガポール、香港で直営方式による回転すし店を展開しています。

 

以下、4位イオン(856万円)、5位ニトリホールディングス(835万円)がランクインしていたほか、6位マツキヨココカラ&カンパニー(834万円)、7位ウエルシアホールディングス(795万円)、8位アスクル(776万円)、9位エイチ・ツー・オーリテイリング(772万円)、10位ジンズホールディングス(768万円)が続いています。

 

トップ10で目立ったのはドラッグストア業態。クリエイトSDホールディングス、マツキヨココカラ&カンパニー、ウエルシアホールディングスの3社がランクイン。従業員の中に国家資格者である薬剤師を含むことも一因ですが、何よりコロナ禍ゆえに好業績であることも理由に挙げられます。

 

もう一つはSPA(製造小売業)企業。ファーストリテイリング(2位/服)、ニトリホールディングス(5位/住関連)、ジンズホールディングス(10位/眼鏡)と3社がランクイン。原料調達から販売まで自社責任で一気通貫して行うがゆえの粗利益の高さが、高い平均給与を裏づけています。

 

一方、かつては小売業の花形といわれ、名だたる企業が売上ランキング上位を飾っていた百貨店業態からはエイチ・ツー・オーリテイリング1社のみ(9位)。総合業態であるGMSもイオン1社のみとなっています(4位)。そのほかの業態も、飲食(FOOD&LIFE COMPANIES)、通販(アスクル)が1社ずつです。

 

 

では、他業種との比較はどうでしょうか。同じく「SalesNow DB」によると、上表のとおり。小売業の第1位はトップ10にも入れず、他業種に大きく水を開けられています。最終購入者である顧客にもっとも近いところにいる小売業の平均年収が上がり、優秀な人材が志してくれるようになってほしいと思います。

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笹井清範

笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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