笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

広告の本当の目的とは何でしょうか。「この店で買いなさい」とか「この商品をお求めください」というふうに、自分の都合を消費者に向かって訴えることでは決してありません。

 

「これはあなたに最適で、あなたの生活を幸福にするものです」という、相手にとっての得を親切に、誠実に、専門家としての立場で告げる営みなのです。つまり、広告とは幸せを告げるものです。それは世の中に対する“善行”にほかなりません。

 

正しい広告は儲けを目的とするものではありません。商人の誠実さを伝え、その提案に共感していただくことが目的です。その愛情に応えてお客様が商品を買う結果、売上げや利益が増えたりするにすぎません。

 

このように良い広告とは、相手を想う気持ちの在り方において「ラブレター」と同じものなのです。商業界創立者、倉本長治は著作『店主宝典』で、広告を「広告という文字を幸告という意味だと洞察できるとき、本当のその広告の効果がある」と評しています。

 

くりかえします。広告とは幸いを告げるもの――この確信こそ広告にとって最も大切なことです。本質は、いかにお客様を惹きつけるかではなく、どうやって真実を上手に伝えるかにあります。

 

広告で大切なのは「店対客」が対峙することではありません。「人と人」として同じ方向を向き、相手を幸せへ導くことがその本質です。お客様の不便、不満、不都合などの“不”が解決できる術を伝えることです。自分のために「売る」のではなく、相手のために「伝える」ということです。

 

愛情、真実、良識、この三つだけでつくられた広告には、他になんの粉飾もいりません。だから、良き商人とは良き人間のことを言います。広告や販促を単なるテクニックとして見てはなりません。お客様は、その中にあなたの人柄を見ているのです。

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笹井清範

笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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