私たちは互いに諸々の欠点を背負って生きています。人間に完全な人格者がいないように、商店にも完璧な店はありません。けれど、その欠点を恥じることはありません。むしろ恥じるべきは、これといった特徴のないことです。
商店がお客様を惹きつける魅力は、大抵においてこの特徴の有無によります。だから、どんな特徴でもいいから、他店と断然違う特徴を持ちたいものです。価格でひけをとらないとか、常に目新しい商品があるとか、店のムードが際立っているとか……。多くの店がある中で、あなたの店ならではの個性を際立たせましょう。
その特徴が店の欠点である場合にさえ、それを繁昌の手段とすることができます。例えば、立地が悪い店、品揃えが偏っている店、間口が狭くて見つけにくい店……。そうした欠点と思われるものを極めれば、そこに他にない特徴が浮かび上がります。あなたが持っている短所の中に宝物が眠っているのです。
しかし、傲慢や嘘はだめです。欠点を認めてくれるお客様はいても、傲慢や嘘を好むお客様はいません。正直であり、誠実であることこそ商いの根本です。
いま、あなたが持っているものを、プラスもマイナスもひっくるめて、もう一度洗い直してみましょう。そこに活路と繁盛のタネがあります。欠点を受け入れ、欠点を愛しましょう。欠点のない店よりも特徴のある店をめざしましょう。