「ユニコーン企業」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。設立10年以内で時価総額が10億ドル以上あり、非上場のテクノロジー分野のスタートアップ企業をいうそうです。その希少性から、幻の生き物であるユニコーン(一角獣)にたとえられ、主に投資家たちの熱視線を集めてきました。
しかし、近年はその利益追求への偏りがもたらす弊害を疑問視する声も大きくなっています。そのキーワードが「破壊」「崩壊」を意味するディスラプション。デジタル技術による破壊的創造・破壊的イノベーションをいい、「デジタルディスラプション」と表現されます。それによってライバル企業を含む既存の社会基盤を破壊して市場独占を目指し、競争に打ち勝った暁には、勝者総取り的に利益を独占する共通点があります。
そんな利益一辺倒の事業姿勢への揺り戻しなのか、新たな企業像の概念として注目を集めているのが「ゼブラ企業」です。持続可能性と社会・環境・経済へのポジティブなインパクトの創出に事業運営の主眼を置き、またその組織運営においても、持続可能性と長期的な成長を重視する企業をいい、「白(持続可能性/社会貢献)」と「黒(収益性/企業利益)」という一見相反する目標を両立することから、白黒のシマ模様のゼブラ(シマウマ)にたとえられています。
世の中の「善」とされることの大半は金儲けと縁が遠いのも事実です。しかし、正しい商いだけは「真」「善」「美」という人間の理想とする価値と一致します。正しさは、一人ひとりの心の中に必ず住んでします。あなたは、何のために儲けているのでしょうか。儲けとは未来を明るく照らす灯火の燃料なのです。それを肚に落としたとき、あなたの商いは大きく開かれます。もっと美しく、もっと立派な生き方が、この仕事に内にあることを知るでしょう。