笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

バイトテロと石工の話

ローソン
ファミリーマート
セブンイレブン
東急ストア
吉野家
すき家
くら寿司
ブロンコビリー
バーミヤン
大戸屋
マクドナルド
ケンタッキーフライドチキン
ピザハット
ピザーラ
ビッグエコー

 

これらの店には大きく二つ共通項があります。さて、何でしょうか? ちょうど2年前の今ごろ、ニュースでたびたび報道されていました。

 

各チェーンを襲うテロリズム

 

正解は「バイトテロ」。

 

飲食店や小売店で主にアルバイトなどの非正規雇用で雇われている従業員が、勤務先の商品や什器を用いて悪ふざけして様子をSNSに投稿、それが“炎上”して企業に甚大な被害を及ぼすことをすることをいう造語です。被害は、その企業・店に対する社会的イメージダウンのみならず、返金や商品の返品・交換および消毒、最悪の場合は発生した店舗の閉店に伴う巨額の損害賠償の請求も発生します。

 

もうひとつの共通項は「チェーンストア」であること。

 

これらの企業では、人時生産性を高めるために「作業」が徹底的に標準化され、本部が決めたマニュアルから外れないことが求められます。本部が考えて解を出すから、現場は余計なことを考えずに従えという図式です。

 

現場でテロが頻発するのはなぜでしょうか。「こんなことは昔からあった。それがSNSで拡散するようになっただけ」という人もいれば、「バイトのモラルが下がった。企業防衛のため、厳正に対処すべきだ」という人もいます。

 

ちょっと待ってください。こうした子どもじみたことをするバイトに一義的な責任があることは否定しませんが、こうしたテロを生み出す土壌が被害企業の中になかったと言い切れるでしょうか。

 

3人+1人の石工の話

 

経営学の碩学、ピーター・F・ドラッカーが『マネジメント』の中で記した、あまりに有名な石工たちの話です。ある建築現場で、何をしているのかを聞かれた3人の石工はそれぞれ次のようにこたえました。

 

1人目の男は「これで食べている」と答えました。
2人目は手を休めずに「腕のいい石工の仕事をしている」と答えました。
3人目は目を輝かせて「国で一番の教会を建てている」と答えました。

 

この話には続きがあります。最後に奥にいた4人目の男はこう答えたといいます。

 

「私は皆の心のよりどころをつくっている」

 

はたしてバイトテロの諸君は、石工に例えると何人目の男でしょうか? バイトを問わず従業員は、作業をこなす作業員でもなければ、上の言いなりに動く兵隊でもありません。彼らは価値創造の担い手であり、同じ目的の実現を目指すファミリーの一員なのです。こうした視点に立ったとき、バイトテロがなぜ起こるのか、どうすれば防げるのかについておのずと答えが見えてくるはずです。

 

【今日の商う言葉】

従業員とは
兵隊ではなく家族の一員
販管費コストではなく
価値創造の担い手である

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笹井清範

笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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