笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

衣食足りて礼節乱れる

衣食足りて礼節を知る、と言います。そのもととなった「倉廩実ちて則ち礼節を知り、衣食足りて則ち栄辱を知る」とは、中国古代の政治論集「管子」の一文。人は物質的に満たされて、初めて礼儀に心を向ける余裕ができるといいます。

 

本当にそうでしょうか? 日本の衣料廃棄物は年間約 140 万トンにも上ります。そのうち 80%近くが焼却・埋め立て処分されています。エレン・マッカーサー財団の報告書によれば、2015 年の時点では世界全体で、およそ「1 秒ごとにトラック 1 台分」の衣料品が焼却あるいは埋め立て処分されているとあります。

 

そして「食」。日本では、年間2550万トンの食品廃棄物が出されています。このうち、まだ食べられるのに廃棄される食品は612万トン。これは、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食糧援助量の1.6倍に相当します。国民一人当たり「お茶腕約1杯分(約132g)の食べもの」が毎日捨てられているのです。

 

衣食は足りているどころか、余らせて捨てている現実があります。また、農業においては豊作貧乏を避けるため、手塩にかけた作物が破棄されています。衣料品も同様で、日本の衣類廃棄量は年間約100万トン、枚数なら33億着に上ります。

 

私たちは、こうした商品をお客様に販売する役割を担っています。売れればいいではなく、お客様と商品の最適な出会いを演出するのが私たちの仕事です。そのために、私たちは礼節を養わなければなりません。

 

【今日の商う言葉】
正しさへの信念が
人間を強くする
その強さが商売をも
美しくたくましくする

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笹井清範

笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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