笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

商人の喜び

世界で初めて衣料品セルフ販売に取り組んだのは、大阪・天神橋筋にあった1坪半の店。戦前は教員として児童を育て、戦後に行商から商いを始めたある夫妻による偉業です。その店は発展して多くの従業員を擁する企業となり、夫人は人材教育の任に就きました。

 

彼女が教育の柱としたのは、商売の技術でも、ビジネスの知識でもありませんでした。寺の子だった彼女が繰り返し伝えたのは仏の教えであり、人のあるべき生き方でした。その一つに仏教の根本の理念「三法印」があります。

 

諸行無常とは、この世のすべてのものは変化して消えていくということ。
諸法無我とは、自分を中心にものごとを考えてはならないということ。
涅槃寂静とは、自分勝手な思い込みをなくせば苦しみが消えて楽になれるということ。

 

こうした人智の及ばない世にあって、夫人は言います。「問題が問題ではない。対処する私が問題である」と。目の前にある問題に対してどう対処するかで人生は決まると夫人は説いたのです。

 

私たちは生きる上で、多くの過酷な現実と向き合います。それを拒み嘆くか? 受け入れて向き合うか? 後者こそ商人の生き方であり、喜びだと教えてくれます。

 

不満、不便、不足、不都合
顧客の不の感情に寄り添い
その解決に努めるのが
商人の喜びと知ろう

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笹井清範

笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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