「商人」と「商売人」の違いについて考えたことがありますか? 片方に「売」という言葉が含まれているだけの違いと思われるかもしれません。しかし、この二つの言葉を明確に分けて使った商人がいました。日本の流通革命の旗手と言われたダイエー創業者の中内功さんはこう表現しました。
商人とは、社会を変えてやろうという大きな志を抱いて事業を興す人。まったく何もないところから、世の中をも変えてしまうような新しい事業を創造する人。一方の商売人とは、己の会社の利益のみを追求する人。社会を変えるような新しい事業を興そうという志とは相容れない。
「損得より先に善悪を考えよ」という一文は、倉本長治による商人の行動訓「商売十訓」第一項。「己の損得」にだけ終始する商売人から、「他者にとっての善悪」を優先する商人へ成長すべきと説いています。
ほとんどの人が商売人として出発し、そこに安住します。しかし一部の人は商人への険しい道を進んでいこうと努めます。なぜなら、道の過程には関わる人たちの幸せがあるからですそれを実現していくところに、商人としての喜びと誇りがあるからです。
あなたは商人ですか? それとも商売人ですか? この先、どうしますか?
【今日の商う言葉】
二流の商売人は
己の利益ばかり追い求め
一流の商人は
すべての人の利益を守る