「鹿を追う猟師は山を見ず」という諺がいうように、儲けばかりを追う商人はお客様を知りません。いやそんなことはない、とあなたは反論するかもしれません。しかし、お客様の本心や願いを果たして本当に見ているでしょうか。
視線の動きを記録できる装置を販売員につけて、その動きを調査したマーケティング会社がありました。販売成績の良い販売員は、お客様が入店してくると、すぐに相手の目を見つめ、その後もお客様の行動を折々に見ているそうです。
一方、成績の優れない販売員は、お客様が入店してきてもすぐには認識しません。しばらくしてようやく認識すると、あとはお客様そのものより、お客様が関心を示した商品のほうに視線が集中しているそうです。
人の行動とそこに現れる心の動きにフォーカスを当てるか、商品に目を奪われ気に掛けるか――。いくら商品というモノに注意を向けても、“買う”という行為をするのはお客様という人間です。私たちが見るべきは人、そしてそこから汲み取れる心の動きであるはずです。
【今日の商う言葉】
鹿を追う猟師は
山を見ないというが
儲けばかり追う商人は
お客様の心を知らない