笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

買う身になる二つの目

これまでに4000人以上を取材する中、私が大切にしていることがあります。取材とは、こちらの都合で時間をもらい、こちらの都合にしたがって話を訊く営みです。だからこそ、その時間を相手にとっても実りあるものになってほしい。それが私の取材スタイルです。

 

訊きたいことだけを聞く営みは、取材としては不完全です。本当に訊くべきことは、その先、その奥にあります。「ああ、私はこんなことを本当は考えていたんですね」と言ってもらえたとき、その取材は双方にとって意味のあるものになります。

 

取材とは、顕在化していない対象の思いを顕在化してもらう営みです。そんな取材はどうしたらできるのでしょうか。必要なのは、鳥の目と虫の目。シンプルに表現するとこうなります。対象を客観的に評価する視点と、同じ心に寄り添って本人になりきることです。

 

両方の目を駆使する中で、隠れていた本質が見えてくるのです。もうお気づきかもしれませんが、商いにとってもこれら二つの目が大切です。「買う身になる」とは、これら二つの目を持ち、心を併せ持つこと。このときお客様は「そうそう、これが欲しかった」と言ってくださいます。

 

人とは、己のことがなかなかわからない生きものです。だから、相手を二つの目で見るのです。取材も商いも同じです。

 

【今日の商う言葉】
売る身になって
買うお客様はいないから
買う身になって
売らなければならない

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笹井清範

笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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