笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

疾風に勁草を知る

たとえば、病院は大きな総合病院さえあれば、小さな町医者病院は不要でしょうか? たとえば、警察本署さえあれば、交番は税金の無駄でしょうか? あなたの答えが「否」であるならば、質問を続けます。

郊外に大型店ショッピングモールさえあれば、商店街の小さな店は不要でしょうか? どこで買物をしても標準化されたサービスを受けられるチェーンストアさえあれば、一つひとつに個性的ゆえ当たり外れがあるかもしれない個店は無駄でしょうか?

商業界創立者、倉本長治はその著『商人の哲学』でこう記しています。

「近代都市に緑が必要なのは、灰色に生気を与え、街を美しく、空気を新鮮にし、住む人びとに慰安を感じさせるためである。しかし、だからといって街路樹には、本当に人を喜ばせ、美しいと思わせる樹木はない。小売業におけるチェーンストアは、そのなければならぬ街路樹のようなものである。樹のうちには、街路樹ではないほうが良い性質のものがあり、そのほうが人間にもっと大きい喜びを与えることもあるのだということを忘れてはならない」

私の考えも、倉本のそれに通じるものです。

しかし、野の小さな花はたくましくなければ生きられません。自然樹は、太陽の光を受けようと幹を伸ばし、地の恵みを取り込もうと堅く痩せた土壌でも根を張ります。

そんなたくましさを持つ店、持つ商人だけがお客様の暮らしを心豊かにできます。そんな店、商人だけが生きていける時代なのです。お客様への愛に裏づけられたたくましさを身につけてください。

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笹井清範

笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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