本当に愛される
商いができるかは
心からその商いを
愛するかどうかにある
元祖戦場カメラマン、ロバート・キャパを一躍有名にした一枚の写真。スペイン内戦時の作品「崩れ落ちる兵士」には、こんないわくもあります。撮ったのは、キャパ本人なのか? それとも恋人のゲルダ・タローなのか?
沢木耕太郎さんの『キャパの十字架』は、その謎を解き明かそうと迫った良作です。休日の午後、仕事部屋の本棚から取り出して久しぶりに読み直しました。良書は、たとえジャンルが離れていても、読み手が欲することを教えてくれるものです。
彼女は27歳の誕生日を迎える前、スペイン内戦取材中、戦車に轢かれて死去。その遺作をキャパが自作として公表したのでは、といわれています。そんな彼自身も、戦争取材中に地雷を踏み40歳で他界と、共に短すぎる生涯でした。
さて、今日の主題はこちらです。「撮影する人間を好きになれ、そしてそれを相手に伝えろ」とは、短くても太く生きたキャパが遺した言葉の一つです。
彼の言葉を借りるなら、「君がいい商売をできないのは、あと半歩の踏み込みが足りないからだよ」といえます。もう半歩踏み込んで、自らの商いを愛し、お客様に愛情を伝えてみましょう。