笹井清範OFFICIAL|商い未来研究所

ライ麦畑のキャッチャー

「とにかくね、僕にはね、広いライ麦の畑やなんかがあってさ、そこで小さな子どもたちが、みんなでなんかのゲームをしているとこが目に見えるんだよ。何千っていう子どもたちがいるんだ。そしてあたりには誰もいない――誰もって大人はだよ――僕のほかにはね。で、僕はあぶない崖のふちに立ってるんだ」

 

こう語る彼をご存知の人は多いと思います。1951年に刊行され、発売当時はアメリカ全土で禁書となったサリンジャーの代表作『The Catcher in the Rye』の主人公、17歳の少年、ホールデン・コールフィールドです。サリンジャーは、『ハックルベリー・フィンの冒険』作者のマーク・トウェイン、『グレート・ギャツビー』作者のスコット・フィッツジェラルドと並ぶアメリカ現代文学の巨人。その後のアメリカ文学に大きな影響をもたらしています。

 

「僕のやる仕事はね、誰でも崖から転がり落ちそうになったら、その子をつかまえることなんだ――つまり、子どもたちは走ってるときにどこを通ってるかなんて見やしないだろう。そんなときに僕は、どっかから、さっととび出して行って、その子をつかまえてやらなきゃならないんだ」

 

ホールデン・コールフィールド少年は、自分がなりたいのは、ライ麦畑で遊んでいる子どもたちが、崖から落ちそうになったときに捕まえてあげる、ライ麦畑のキャッチャーのようなものと言いました。

 

商人とってお客様は、崖から落ちそうになっている子供たちのようなもの。多くのお客様の心は飢え、満たされない思いを抱えています。常に目を向け、その心の変化を見守り続けましょう。

 

【今日の商う言葉】
いま多くのお客様は
とても飢えている
それは‘物に’ではなく
満たされぬ‘心が’である

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笹井清範

笹井清範

商い未来研究所代表
一般財団法人食料農商交流協会理事

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