家計調査、消費者物価指数といった統計に表れているように消費は低調で、景気は改善されていません。しかし、それを私たちは言い訳にしてはなりません。
「売れないことを不景気のせいにする商人は、よく売った自分のせいかを誇る権利を放棄している」と商業界創立者、倉本長治が遺したように、不景気を売れない理由に挙げることは、商人の怠慢です。それよりも目に見えるお客様を、今こそもっと正確に見つめ、考え、行動していきましょう。
有店舗商業はこれからさらにマーケットが小さくなっていくでしょう。ネット通販をはじめとする無店舗商業の成長は、かつてクルマ社会の到来によって商業立地が変わったときよりも、大きなインパクトをもたらすでしょう。だからこそ地域社会における既存の商業の役割を、その存在理由を再考し、実践しなければなりません。
商業は不滅です。そして、多様です。
低迷する表面的な状況だけを見ていてはいけません。新たな芽はすでにふつふつと湧き出ています。危機は不景気などいった外部にではなく、新たな可能性に気づいていないあなたの中にあります。何も大企業と同じことをする必要はありません。あなた自身の中にある“強み”を見出し、それを伝えていくことです。
