一人ひとりのお客様に誠実であり、親切であるということは、樹々がその枝の一本一本に美しい花を咲かせるようなものです。いずれは花の跡に繁盛という実が成熟し、その果実の芯には必ず儲けという種が含まれています。そして、その種からまた芽が出て樹に育ち、また花を咲かせるのが自然の摂理です。
もちろん、すべての花が実を結ぶことはありません。せっかく結んだ果実が雨風に打たれて、成熟せずに終わることもあるでしょう。しかし、がっかりすることはありません。どんな場合にも必ずいくつかの実は結び、一つの実はいずれ無数の花とたわわな実をつけるでしょう。これもまた自然の摂理です。
「良樹細根 高樹深根」は、紀元前、中国戦国時代の思想家、荘子の言葉として知られています。多くの実をつける良い樹の根は細かく伸び、大風にも揺るがない高い樹の根は深く張っている——つまり、目に見えることのない根こそ本当の繁盛に必要です。地道に根を張らすことのない商いは、たとえ一時的に栄えても、すぐに滅びます。
では、商いの根とは何でしょうか。それは、一人ひとりのお客様に誠実であり、親切であることです。どれほどビジネスモデルが斬新でも、販促手法が優れていても、誠実さと親切という根がなければ長続きすることはないのです。
【原則】
多くの実をつける
良い樹の根は細く伸び
大風にも揺るがない
高い樹の根は深く張る